貿易ニュース 11月2007年

28/11/07 中東向けの豪産ラム・マトンの輸出が大幅に増加
28/11/07 アワビ業者がカルテルで100万ドルの罰金 − ビクトリア州
28/11/07 人口内耳のコクレア社が豪州最優秀輸出業者に
28/11/07 乳業大手ベガ・チーズ社が過去最高の利益
28/11/07 深場にすむ白っぽいロブスターが浅瀬に移動すると大きく赤くなる
28/11/07 10月は過去18年間で最高の新車販売台数 ー ニュージーランド
21/11/07 世界初赤ワイン入りチョコレートで急成長 − ビクトリア州
21/11/07 干ばつで多くのワイン用ブドウ生産者が廃業の危機
21/11/07 豪ドル高で日本向けマンゴ輸出が激減
21/11/07 乳業大手フォンテラ社がNZ証券市場に上場を計画
21/11/07 干ばつでパスタの原料のデュラム小麦価格が急騰
21/11/07 ロブスター漁が解禁、漁獲量は減る模様 − 西オーストラリア州
14/11/07 SA州のワイナリーが”ワインメーカー・オブ・ザ・イヤー”を受賞
14/11/07 10月の豪産ラムの輸出量が過去最高
14/11/07 アワビ・魚の養殖事業計画が頓挫 − 西オーストラリア州
14/11/07 2007/08年度の世界のコットン生産量が減少と予測
14/11/07 UK向けが好調で豪産ワインの輸出が記録的
14/11/07 豪乳製品・果汁飲料大手ナショナルフーズを買収 − キリンHD
07/11/07 牛乳の生産者価格も、輸出価格も上昇
07/11/07 家畜の餌となる穀物200万トンが不足
07/11/07 豪州の10月の新車販売台数は過去最高
07/11/07 干ばつにより大手醸造フォスターズ社がワインの輸入を検討
07/11/07 カンガルー島のすべてのカノーラを日本企業が買い上げる
07/11/07 乳業大手フォンテラ社が牛乳の生産者価格を値上げ
01/11/07 ニュージーランド政府が生体家畜の輸出を禁止
01/11/07 世界最大の牛肉会社のAACo社が売りに出される
01/11/07 養殖ヒラマサを英国のスーパーに輸出 − 南オーストラリア州
01/11/07 豪ドル高と関税の引き下げで現地生産の危機 − 豪トヨタ自動車
01/11/07 ハラル食品の輸出がオーストラリアの経済を浮揚させるかも
01/11/07 西オーストラリア州からタツノオトシゴの輸出


                                                                    

11月28日2007年 中東向けの豪産ラム・マトンの輸出が大幅に増加
  オーストラリア産ラムの中東向けの輸出が非常に好調で、昨年に過去最高を記録した輸出量を、今年は10月まででそれを上回った。 2007年10月までの過去12ヶ月で、オーストラリア産ラムの中東向けが1万8,180トンとなり、前年同期の1万4,536トンより25%増加した。 中東向けのラムの輸出量は、この3年間で2倍以上となった。 アラブ首長国連邦(UAE)が中東の国々の中で最も需要が高く、中東へのラム輸出量の約3分の2を占めている。 今年はヨルダンとクウェートへの輸出も増えた。 中東へのラムのほとんどは軽量のラム枝肉で、冷蔵肉は航空貨物で、冷凍のレッグ、フォアークウォーターは海上貨物で輸出される。 マトンの輸出も、10月までの過去12ヶ月の輸出量が3万9,334トンとなり、前年同期より19%増えている。 サウジアラビアがオーストラリア産マトンにとって世界最大のマーケットで、アラブ首長国連邦、ヨルダンとクウェートからの需要も近年増えてきている。 中東向けのオーストラリア産牛肉は、競争が激しく輸出量は変わらない。 (Source: MLA/LAND, 22/11/07 "Record lamb, mutton exports to the Middle East")
11月28日2007年 アワビ業者がカルテルで100万ドルの罰金 − ビクトリア州

  連邦裁判所は、アワビの価格を操作をしたとして、アワビ業者19社に対して約100万ドル(約1億円)の罰金を科した。 同裁判所は、"Australian Abalone"と称して事業を行なっているそれらの業者が、ビクトリア州のWesternport, Port Phillip, 一部のGippslandで獲れるアワビを高値で販売することを談合したとしてる。 ウェインバーグ裁判官は、これらの業者が取引慣行法(Trade Practices Act)とビクトリア州競争規約(Victorian Competition Code.)に違反していると判断した。 また同裁判所は、「これらの業者グループは、もし一部の業者が取り決めた価格以外で販売すれば、罰則を科すルールも決めていた」と指摘した。 (Source: ABC, 26/11/07 "Abalone cartel fined $1-M")

11月28日2007年 人口内耳のコクレア社が豪州最優秀輸出業者に
  世界の人口内耳マーケットの70%のシェアーを持つコクレア・グループが、昨夜ブリスベンで行なわれたAustralian Export Awardsで”Exporter of the Year”を受賞した。 今回が過去5年間で3回目の受賞となる。 同社以外にも、Macquarie Bank Limited社、Sydney BridgeClimb社、ゲームメーカーのImagination Entertainment社が受賞した。 牛乳などを飲む際、このストローで飲むとイチゴやチョコレート味になる『Sippah』ブランドのストローを生産しているUnistraw社とIT部門のBravura社も”Emerging exporter of the year”を受賞した。 同イベントに参加したオーストラリア貿易促進庁のピーター・オバイン氏は、「今回受賞した企業は、熱心で革新的な企業の代表で、オーストラリアの記録的な輸出の業績を担っている。 昨年度、オーストラリア企業の輸出収入は過去最高の2,150億ドルとなっている。 今回の賞の最終審査まで残った79社は、合計115億ドルの輸出収入があり、3万8,500人の従業員を雇用している。 世界の市場で、あらゆる商品を提供しているオーストラリア企業は、成長し、成功している」と語った。 (Source: AAP/Daily Telegragh, 23/11/07 "Cochlear wins exporter of the year")
11月28日2007年 乳業大手ベガ・チーズ社が過去最高の利益 
11月28日2007年 深場にすむ白っぽいロブスターが浅瀬に移動すると大きく赤くなる
  水深の深いところに住むロブスター(Rock lobster)を浅い場所に移動すれば、成長が早くなり、色も濃くなることが研究で分かった。 Tasmanian Aquaculture and Fisheries Institute (TAFI)は2年間かけて、タスマニア州のMaatsuyker Island近くの水深の深いところに住む小型で白っぽい色をした2万匹のロブスターを東海岸の浅場に移動した。 TAFIのブリジット・グリーン研究員は移動したロブスターは、生き残っただけでなく、大きく育ち、白っぽい斑点のある色からアジア市場にとって魅力のある赤色に変わった。 今回の調査プロジェクトには、一般の人や漁師の方にも協力をいただいた。 協力してくれた人々は、ロブスターの大きさと番号をタグに記載してもらい、また海に戻した。 この情報により、我々は移動したロブスターが生存していることと、移動してからどれだけ成長しているのかが判明する」と話した。 (Source:ABC, 15/11/07 "Big red success in lobster research"),                                  
11月28日2007年 10月は過去18年間で最高の新車販売台数 ー ニュージーランド

  ニュージーランドの10月の新車乗用車販売台数は7,904台となり、9月より11.7%増え、前年同月比で1.5%増加した。 これは1989年以来、単月として最高の販売台数となった。 新車商用車の販売台数は2,151台となり、9月と比べると微増であるが、前年同月比では33.9%の大幅な増加となっている。 ニュージーランド自動車産業協会(Motor Industry Association of New Zealand)のペリー・ケアCEOは、「新車の販売は引き続き増えていく。今年は1980年代後半につづいて2回目の年間10万台の新車販売台数を目指す」と語った。 メーカー別の販売台数は、トヨタが、ニュージーランドで人気のあるフォードとのリードを広げて依然1位を保っている。 車種別では、10月ではトヨタ”カローラ”に200台以上差をつけられたホールデン”コモドア”が、今年に入ってから10月までの累計では、引き続き1位になっている。 (Source: MIA, 05/11/07 "Biggest new car sales month for 18 years)

11月21日2007年 世界初赤ワイン入りチョコレートで急成長 − ビクトリア州
  ビクトリア州メルボルンにあるFarm by Nature社は、世界で初めてリキュールを使用せず、オーストラリア独自の方法でワインを使って製造したチョコレートで、ヨーロッパや世界のチョコレート・ファンを魅了している。 これは同社がCocoa Farmブランドで製造している、シラーズ、メルロー、ピノ・ノアール味のチョコレートで、消費者やグルメ小売店などで人気がある。 Farm by Nature社のジャニス・ファルゾンCEOは、「人々は、よくワインを飲みながらチョコレートを食べている。 でも、誰もワインとチョコレートを一緒にしようとは考えなかった。 チョコレートとワインを融合させるこの製造方法は、世界で初めてで特許を取得している。 チョコレートとワインを一緒にすることは、ただ単に風味が一緒になるだけでなく、赤ワインとココア双方で抗酸化作用が働く」と話している。 昨年、オーストラリア貿易促進庁の協力を得て初めてイギリスに輸出して成功し、今年ドイツのコロンで開催されたInternational Confectionery Fairに出品したあと、輸出売り上げは1万5,000豪ドルから今年は75万豪ドルまでになっている。 (Source: The Land, 16/11/07 "Gourmet chocolate exports lead to Australia’s first commercial cocoa farm")
11月21日2007年 干ばつで多くのワイン用ブドウ生産者が廃業の危機
  2008年のワイン用ブドウの収穫量が130万トンと予想され、例年平均の190万トンを大きく下回り、オーストラリア全体で7,500戸あるワイン用ブドウ生産者のうち1,000戸くらいが業界を去ることを決断するかもしれない。 業界団体”Wine Grape growers Australia”のマーク・マッケンジー会長は、「多くの生産者たちは、連邦政府の総選挙が終わるまで業界を去る決断を待っている。 彼らの資金計画で重要な部分である水利権を放棄していくらもらえるかを見極めるためである。 新しく選ばれた連邦政府が水問題について、どのような対応をするかを待っている」と話した。 (Source: AFR, 15/11/07 "Grape growers expected to quit")
11月21日2007年 豪ドル高で日本向けマンゴ輸出が激減

  近年、新しい輸出商品となっているオーストラリア産マンゴが、豪ドル高の影響を受け輸出が減り、主要輸出先の日本への出荷量は75%減少している。 オーストラリア産マンゴは日本では贈答用とされているが、豪ドルが約100円になり、消費者にとって高価な果物になっている。 マンゴ輸出業者のダイアモンド・スター社は、例年750万豪ドル(約7.5億円)相当のマンゴを日本に輸出している。 同社のブルース・ナスタシ社長は、「注文はいつもキャンセルになる。 当社に納入してくれている35軒あるマンゴの農家は、通常なら日本への輸出で収入があるのに、今年は収入がなくて苦慮することになる。 豪ドル高によって災難となっている。 昨年は2万1,000トレイのマンゴを日本に出荷したが、今年は今のところ5,000トレイ未満である。 為替の問題でオーストラリア産マンゴが高くなり、注文のキャンセルが相次いでいる。 現在クリスマスまでの注文は非常に少量である。 日本の輸入業者は、オーストラリア産マンゴが日本に到着するまでの費用を1トレイ当たり40豪ドル(4,000円)を望んでいるが、それは不可能である。 我々の最低のコストは1トレイ50豪ドル(5,000円)で、50豪ドルで売っても利益はない。 今後豪ドルが80円くらいにならなければ、今年の日本への輸出量は過去5年間の平均の25%くらいになってしまう」と語った。 (Sourace: ABC, 16/11/07 "Mangoes not so sweet with exchange rate")

11月21日2007年 乳業大手フォンテラ社がNZ証券市場に上場を計画
  オーストラリア市場でも収入の15%を稼いでいるニュージーランド乳業大手のフォンテラ社が、2010年までにニュージーランド証券取引所(NZX)に上場することを計画している。 同社は現在協同組合組織で、1万1,000人の農家の株主に対し、今後の資本構成の再編成や事業について、2年間をかけて協議するプログラムを開始した。 計画では、フォンテラ社が新会社を設立してそこに事業を移すが、その新会社は依然農家協同組合が100%所有し、農家の株主が管理する。 この新会社に組合のすべての資産、債務、事業を委譲する。 両社は、少なくとも2年間は農家が所有、管理し、最終的には新会社がニュージーランド証券取引所に上場する。 オーストラリアでのフォンテラ社の収入は19億ドルで、オーストラリアの牛乳の21%を生産し、2,000人以上の従業員がいる。 商品のブランド名としては、Connoisseur, Mainland, Western Star, Bega, Brownesがあり、同社の全体の収入は123億NZドル(105億豪ドル)となる。 同社のヘンリー・バン・デア・ヘイデン会長は、「今のところ、農家の人たちは前向きで、基本的な問題について理解を示してくれている。 我々は、償還のリスク、投資、農家の人たちの選択のプレッシャーに対応するために、資本構成の変更を望んでいる。 そして、成長戦略の導入に向けて、確実で幅広い資金が必要になる」と話した。 (Source: AGE, 16/11/07 "Fonterra moves to list in NZ")
11月21日2007年 干ばつでパスタの原料のデュラム小麦価格が急騰
  干ばつにより穀物価格が高騰しているが、特にバスタの原料となる小麦が1トン当たり575豪ドルまで急騰している。 世界的なデュラム小麦の不足によって、オーストラリア国内と海外の企業間で供給を確保するために価格戦争になっている。 オーストラリアの約10%の農家がデュラム小麦を栽培しており、通常のバン小麦より1トン当たり250豪ドル高く売れる。 南オーストラリア州のデュラム小麦生産者協会(Durum Growers Association)のマイケル・ジェーシェク氏は、「乾燥が続くこの困難なシーズンで、価格戦争によって値段が上がるのは、生産者にとっては良いニュースである。 イタリアの製粉業者2社がオーストラリアを訪れて、『価格はいくらでも良いからデュラム小麦を売って欲しい、でなければ、我々は事業を止めるしかない』と言っているのを聞いたことがある。 干ばつは、デュラム小麦を栽培している多くの場所で打撃を与えている。 オーストラリアではおもな生産地であるニューサウスウェールズ州北部と、海外ではモロッコもイタリアも干ばつになっている。 カナダもデュラム小麦の輸出量を減らしており、世界的にデュラム小麦の価格戦争が始まっている。 (Source: ABC, 15/11/07 "Pasta plight: drought hits hard"参照)
11月21日2007年 ロブスター漁が解禁、漁獲量は減る模様 − 西オーストラリア州

  将来に不安を抱えながらも、西オーストラリア州のロブスター(Rock Lobster)シーズンが始まった。 オーストラリア・ドル高と、予想される漁獲量の減少が、漁師たちにとって今シーズンのコストの増加を招くことになるかもしれない。 Western Rock Lobster Councilのデクスター・デービス氏は、「今シーズンの漁獲量は、例年の平均である1万1,000トンから減って、9,500トンになる見込みである。 ロブスター漁師にとって今年は正念場である。 私はいろいろなミーティングに参加したが、業界の人々は、いかにして漁を効率的に行い、また、この業界の存続についてを真剣に模索をしている」と語った。 (Source: ABC, 15/11/07 "Smaller lobster catch likely in WA")

11月14日2007年 SA州のワイナリーが”ワインメーカー・オブ・ザ・イヤー”を受賞

  南オーストラリア州のワインメーカーが、世界で最も権威のある”ワインメーカー・オブ・ザ・イヤー”を受賞した。 同州のマクラーレン地区にあるチャペルヒル・ワイナリーの主任ワインメーカーのマイケル・フラゴス氏が、ロンドンで開催されたInternational Wine and Spirit Competitionにおいて、”ワインメーカー・オブ・ザ・イヤー”を受賞した。 International Wine and Spirit Competitionは1969年に創設され、世界で由緒あるコンテストとされている。 今年のコンテストには、世界50ヶ国以上から5,000人以上の参加者があった。 (Source: ABC, 07/11/07 "Worlds best winemaker a South Australian")

11月14日2007年 10月の豪産ラムの輸出量が過去最高
  オーストラリア・ドルがアメリカ・ドルに対して過去23年間で最高値になったにもかかわらず、10月のオーストラリア産ラムの輸出が過去最高となった。 食肉団体のMeat and Livestock Australia(MLA)の報告書によると、アメリカ、中東、中国、パプアニューギニアへの輸出が増加し、ラムの生産量も増えたとしている。 しかし、日本、南アフリカ、EUへの輸出は減少した。 連邦政府農業省の統計では、10月のラム輸出量は前年同月比で27%増えて過去最高の1万7,785トンになり、今年に入ってから10月までの累計でも前年同期比で8%増の13万1,440トンとなっている。 昨年9月に比べて今年の9月の生産量が16増え、その増加分のほとんどが中国やパプア・ニューギニアなどへの輸出に回されている。 アメリカ向けの輸出は、前年同月比で34%増え5,384トンとなり、月間の輸出量としては過去最高となった。 MLAは、「アメリカ国内とニュージーランドからのラムの供給不足で、ラムレッグとラムラックの価格が前年より上がっている」としている。 オーストラリア産ラムへの中東からの需要も高く、10月は前年同月比36%増の2,182トンとなった。 中国向けも前年同月比85%増の1,876トンとなり、月間の輸出量としては過去最高となった。 (Source: Meat and Livestock Australia/Farmonline, 09/11/07 "Lamb exports reach record levels")
11月14日2007年 アワビ・魚の養殖事業計画が頓挫 − 西オーストラリア州
11月14日2007年 2007/08年度の世界のコットン生産量が減少と予測−ICAC
  International Cotton Advisory Council (ICAC)の最新の報告書によると、綿紡績工場が全体的な在庫を抑えるために、 2007/08年度の世界のコットン生産量が2%減少して2,610万トンになると予想している。 世界の綿紡績工場が使用するコットンは逆に3%増えて2,750万トンになり、その結果、世界のコットンの在庫は11%減少して1,140万トンとなる。 一方、2007/08年度のコットンの輸入量は、中国の輸入が復活して350万トンになる見込みで、全体的には10%増えて910万トンとなる模様である。 アメリカ、インド、ブラジルからの輸出は大幅に増えるとみられるが、ウズベキスタン、西アフリカ、オーストラリアからの輸出は、おもに生産量の減少から輸出量が減少すると予想されている。 また価格については、ICACは2007/08年度平均においてA-インデックスで1ポンド当たり69セントとし、 2006/07年度より10セント高くなると推定している。 2008/09年度については、世界のコットン生産量は2,710万トンで、綿紡績工場の使用が2,780万トン、年度の終わりには在庫が1,060万トンになると予測している。 (Source: Farmonline, 12/11/07 "World cotton stocks expected to decline in 2007/08")
11月14日2007年 UK向けが好調で豪産ワインの輸出が記録的
  UK向けの輸出が好調で、10月までの過去12ヶ月間のオーストラリア産ワインの輸出が過去最高となった。 オーストラリア ワイン・ブランデー公社によると、10月までの過去12ヶ月間の統計で、UK向けが前年同期より10%増えたことにより、オーストラリア産ワインの総輸出額が30.4億豪ドルとなった。 UKはオーストラリアにとってワインの最大の輸出先国で、輸出額9億8,200万豪ドル、輸出量にして2億9,100万リットルを輸出した。 2位はアメリカで輸出額9億5,300万豪ドル/輸出量2億1,600万リットル、3位はカナダで輸出額2億8,700万豪ドル/輸出量5,100万リットル、4位はニュージーランドで輸出額1億300万豪ドル、アイルランドとオランダは7,500万豪ドルでともに5位となった。 (Source: Courier Mail, 08/11/07 "Record year for Aussie wines")
11月14日2007年 豪乳製品・果汁飲料大手ナショナルフーズを買収 − キリンHD
  日本のキリン・ホールディングスは、フィリピンに本社があるサンミゲル社の100%の子会社で、オーストラリアで最大の乳製品・果汁飲料会社のナショナル・フーズ社の全株式の取得を決定した。 サンミゲル社が保有するナショナル・フーズ社の株式を2007年12月までに取得し、キリンの連結子会社にする予定である。 買収総額は28億ドル(約2,940億円)で有利子負債約2,000億円を含んでいる。 資金は外部借り入れなどにより賄う。 同社は、「食と健康」の領域での強力な事業拠点を獲得することで、飛躍的な成長に向けた基盤強化を図り、アジア・オセアニアでのキリン・グループの存在感を高めてゆくとしている。 ナショナル・フーズ社は、100年以上の歴史で築いた強力な商品ブランドや24ヶ所の製造拠点を持ち、高い成長性と収益性をもつオーストラリア最大の乳製品・果実飲料会社である。 牛乳トップブランドの「ピューラ・ミルク(Pura Milk)」や、ヨーグルトの「ヨープレット(Yoplait)」をはじめ、飲料部門では、2005年にオーストラリアで最大の飲料会社ベリー(Berri)社を傘下に収めている。

社名:    ナショナルフーズ社(National Foods Limited)
本社:    メルボルン
資本金:   約6.8億豪ドル(約714億円)
売上高:   約18.4億豪ドル(約1,932億円) 2006年度
営業利益:  約1.7億豪ドル(約179億円) 2006年度
従業員数:  3,500人
事業内容: 
牛乳・飲料事業(46% 1位)、ヨーグルト・デザート事業(11% ヨーグルト1位、デザート1位)、果汁飲料事業(27% 1位)、チーズ・グルメ事業(11% スペシャリティー・チーズ1位)、海外事業(5%) *( )内の%はナショナルフーズ社売り上げに占める割合。 順位は豪州市場シェアー)
主要ブランド:
ピューラ・ミルク(Pura Milk 牛乳)、ビッグエム・フレーバードミルク(Big M Flavored Milk)、マスターズ(Masters)、キングアイランド・デイリー(King Island Dairy チーズ)、タスマニアン・ヘリテージ(Tasmanian Heritage チーズ)、ヨープレイト(Yoplait ヨーグルト)、ベリー(Berri 果汁飲料)
製造拠点:  
計24工場 (オーストラリア19工場、ニュージーランド1工場、マレーシア2工場、インドネシア2工場)
(Source: Kirin Holdings, News Release, 08/11/07 "豪州No.1の乳製品・果汁飲料会社ナショナルフーズ会社の全株式取得を決定”)          
11月07日2007年 牛乳の生産者価格も、輸出価格も上昇
  世界の酪農製品マーケットへ供給するために、安定した牛乳の量を確保しなければならないプレッシャーにより、原乳の生産者価格が上昇している。 オーストラリア南部の牛乳生産者は、今が春の牛乳生産のピークとなっており、価格が昨年より2倍以上となった輸出マーケットへの対応に追われている。 先週、オーストラリアで最大の牛乳加工会社で、輸出がメインのMurray Goulburn (MG)社は、7月1日にさかのぼって、酪農家からの買い上げ価格を、プロテイン1キロ当たり40セント、乳脂肪1キロ当たり16セント値上げをすると発表した。 また、高い餌代にもかかわらず酪農家に生産を続けてもらうために、さらに来年1月1日から6月30日まで、プロテイン1キロ当たり30セント、乳脂肪1キロ当たり12セント値上げをするとしている。 Tatura Milk社も、酪農家に対し、今年の7月から10月のプロテインを1キロ当たり20セント、乳脂肪を1キロ当たり8セント値上げをするとし、今年の10月から来年の6月までは、さらにプロテインを1キロ当たり60セント、乳脂肪を1キロ当たり24セント値上げをする。 これは牛乳にして1リットル当たり3セントの値上げになる。 Warnambool Cheese and Butter 社も、今シーズンの生産者価格を発表し、4回に渡り、合計プロテインを1キロ当たり54セント、乳脂肪を1キロ当たり23セント値上げするとしている。 (Source: Stock & Land, 05/11/07 "Export milk prices on the rise")
11月07日2007年 家畜の餌になる穀物200万トンが不足 

  キャンベラで行なわれた穀物を餌として使っている業者のサミットで、干ばつによりオーストラリアの東部では200万トンの穀物が不足することになると指摘している。 それらの業者は州政府に対し、穀物の在庫に大きな影響を与えるエタノールへの使用を中止するように求めている。 家畜業界も、穀物の会社や連邦政府に各州が保有する穀物の在庫量を毎月提供するように要求している。 オーストラリア・ロットフィーダーズ協会のジム・カッドモアー副会長は、「穀物の供給量や価格によっては、今年は穀物の調達を海外からの輸入やほかの州から頼らなければならないかもしれない」と話した。 (Source: ABC, 31/10/07 "2 million tonne feedgrain shortage")

11月07日2007年 豪州の10月の新車販売台数は過去最高

  10月のオーストラリアの新車販売は、SUV(スポーツ多目的車)が好調で記録的な台数となった。 連邦自動車産業会議所(FCAI)が今日発表した統計によると、10月の新車販売台数は8万9,289台となり、前年同月比で9,359台(11.7%)増加した。 これは、今まで10月としては過去最高の販売台数であった2004年10月より8,000台以上上回ったことになる。 今年に入ってから10月までの累計では、前年同期と比べて7万台(8.6%)以上増えており、引き続き年間目標販売台数の100万台に向かっている。 FCAIのアンドリュウ・マッケラーCEOは、「10月の販売で特筆すべきはSUVで、前年同月比で3,827台(27.5%)増え、1-10月までの累計でも、前年同期比で約 2万2,000台上回っている。 小型車は前年同月比で1472台(8.3%)増え、軽自動車も同1150台(11.5%)増加した。 今年に入ってからの累計でも、小型車は前年同期と比べて 1万0,028台(5.4%)、軽自動車は8,946台(9.2%)増えている。 大型ファミリー車の10月の販売台数は0.8%減少したが、今年に入ってからの累計では、依然前年同期と比べて5,414台(4.8%)増加している」と語った。 10月のメーカー別販売台数では、1位がトヨタの2万0,212台、2位がホールデンの1万1,415台、フォードが8,206台で3位となっている。 (Sourace: FCAI, 05/11/07 "Strong SUV sales boost October car market")

11月07日2007年 干ばつにより大手醸造フォスターズ社がワインの輸入を検討

  オーストラリアの大手醸造会社のフォスターズ・グループは、株価の低迷は干ばつと豪ドル高に原因があるとしている。 アデレードで開催された同社の年次総会で幹部たちは、ワイン事業とその他の飲料事業を分割すべきであるとの提案を拒否した。 フォスターズは、”ペンフォールド”や”ローズモント”のワインのブランドを持つサウスコープ社を、2005年に35億ドルで買収した。 同社のトレーバー・オホイCEOは、同社にとって良い時期が来ることを望み、「最悪の時期は過ぎた。 しかし、オーストラリアは想像を絶する干ばつに見舞われており、回復には時間がかかる。 オーストラリア・ドルも高くなっているが、これは、もし干ばつが長く続けば、低価格のワイン商品において、海外のサプライヤーから調達することになる。 これはあくまでもバックアップで、箱入りや大瓶のワインなどへの仕入れを南アフリカや南アメリカなどから検討することになる」と語った。 (Source: ABC, 31/10/07 "Foster's may import wine due to drought")

11月07日2007年 カンガルー島のすべてのカノーラを日本企業が買い上げ

  もうすぐ日本のスーパーマーケットでオーストラリアのカンガルー・アイランド産のカノーラ油が見れるようになる。 日本の平田産業は、オーストラリアの穀物輸出業者のABBグレイン社と、カンガルー・アイランドのすべてのカノーラの収穫量(約6,000トン)を買い付ける契約を交わした。 ABBグレイン社は貯蔵や輸送の援助も行なう。 南オーストラリア州にあるカンガルー・アイランドの農家のデリック・ジョンソン氏は、「日本は、将来もカンガルー・アイランドが遺伝子組み換え作物を行なわないことを望んでいる。 今回の契約を結ぶのに、9月まで長い時間がかかった。 最終的には、農家、ABBグレイン社、日本のバイヤーすべての利益になった。 なぜ、日本がカンガルー・アイランド産のカノーラに興味があるのかについては、現在オーストラリアは、遺伝子組み換え作物を容認する傾向にあり、カンガルー・アイランドは海に囲まれて、将来も遺伝子組み換え作物と隔離できると期待しているからである。 農家にとって一時的にはコスト高になるが、将来は大きな収益が期待できる」と話した。 (Source: ABC, 31/10/07 "Kangaroo Island canola headed for Japan")

11月07日2007年 乳業大手フォンテラ社が牛乳の生産者価格を値上げ
11月01日2007年 ニュージーランド政府が生体家畜の輸出を禁止

  ニュージーランド政府は、現在の法律が見直されるまで生体家畜の輸出を禁止した。 この措置は、生体家畜の輸送時の取り扱いや海外での屠殺処理についての報告書が提出されたあと行なわれた。 定期的な中東への生体羊の輸送は数年前に終了しているが、繁殖用の羊や牛の中国、メキシコ、南アメリカなど向けの輸出は現在も続いている。 獣医協会のジョン・マクロフリン氏は、今回の禁止を歓迎し、「1990年代には非常に多くの悲劇があった。 それ以降、生体家畜の輸出に際しては大きな改善が見られたが、まだまだ、家畜の福祉に関しては不十分である」と語った。 (Source: ABC, 30/10/07 "NZ bans live exports")

11月01日2007年 世界最大の牛肉会社のAACo社が売りに出される

  Futuris Corporation社は、同社が保有している世界最大の牛肉会社Australian Agricultural Company (AACo)の発行済み株式の43%にあたる株式を売却すると発表した。 AACo社は、63万1,000頭の肉牛、24ヶ所の牧場、2ヶ所の飼育場、オーストラリア大陸の1%以上に相当する800万ヘクタールの土地を所有している。 AACo社は、Futuris Corporation社と売却計画について協議を行なっており、今回の売却について社外取締役を中心に委員会を結成し、株主へ最新の情報を提供することを約束している。 今回の売却によって、オーストラリアで最古参の牧畜会社がどうなるか? Intelligent Investor 社のスティーブ・ジョンソン社長は、「今回の発表は衝撃的であるが、AACo社の業績に影響はない。 Futuris Corporation社はAACoへの投資を再認識し、自社の株価を上げようとするものではないか。 AACoの最近の株価は力強く堅調であるのに対し、Futuris Corporation社の株価は下降気味である。 ここでAACo社の株式を売却すれば3億ドルの現金が入ることになり、同社の株式一株当たり40セントの収入になる」と話した。 今回の株式の売却で、買い手となる可能性が高い一社と思われるのはMacquarie Bank.である。 同社は今年の初め、オーストラリアの家畜産業に大きく投資をする計画を発表しており、7月にはニューサウスウェールズ州にあるメリノ種の羊飼育場を買収している。 Macquarie Bank側は、今回のAACoの株式の取得について、肯定も否定もしていない。 (Sourace: ABC, 24/10/07 "AACo under the hammer")

11月01日2007年 養殖ヒラマサを英国のスーパーに輸出 − 南オーストラリア州

  南オーストラリア州のヒラマサが、近々英国に向けて輸送される。 エイリー半島にある養殖会社のClean Seas社は養殖したヒラマサを、英国のスーパーマーケットSainsburyの300店舗に供給する契約を結んだ。 同社のハーゲン・ステアー会長は、「今回の契約は、エイリー半島の漁業界にとって大きな成功である。 今回が初めて大手スーパーマーケット・チェーンに入り込むことが出来た。 現段階でどれくらいの輸出量になるかは分からないが、将来は大きなビジネスになると確信している」と話した。 (Source: ABC, 19/10/07 "SA fish bound for UK dinner tables")

11月01日2007年 豪ドル高と関税の引き下げで現地生産の危機 − 豪トヨタ自動車
  日本のトヨタ自動車の幹部は、オーストラリアの経済状況が現地自動車生産に脅威を及ぼしている、と話した。 同社の浦西取締役副社長はオーストラリアのメディア対し、「豪ドル高によって、オーストラリア生産の車が海外生産車に比べて割高になっている。 豪連邦政府が自動車の輸入関税を現在の10%で凍結し、引き下げないように望んでいる。 ビクトリア州メルボルン南部にある豪トヨタのアルトナ工場には3,500人の従業員がおり、彼らの将来は連邦政府の方針にかかっている」と話した。 豪トヨタのピーター・グリフィン広報担当は、「政府の自動車業界への方針の見直しについては、11月の総選挙後の新政府と来年話し合うことになっており、連邦政府も連邦議会野党も、現在製造業が抱える問題を理解している。 オーストラリアの自動車業界は競争力の維持に努力している。 オーストラリアはすでに世界の中でも、自動車業界においてオープン・マーケットであるのに、これ以上の関税の引き下げは、地元製造業者によりプレッシャーを与えるものである」と語った。 しかし、連邦政府は、トヨタの警告にもかかわらず、自動車輸入関税について一切の約束をすることを拒否している。 連邦政府イアン・マクファーレン産業相は、「豪ドル高が自動車輸出業者を厳しい状況に追い込んでいるのは認識している。 来年の方針の見直しは、自動車業界がさらなる関税の引き下げに対応できるかどうかを見極めるものである。 ハワード政権は、オーストラリアの自動車産業に総額73億ドルの支援をしており、トヨタはその恩恵を大いに受けている企業の1社である。 作業手順として、自動車業界への方針の見直しを来年行い、それと同時に、すべての見地から自動車産業への支援も見直すことになる」と話した。 (Source: ABC, 27/10/07 "Toyota says manufacturing in Aust under threat")
11月01日2007年 ハラル食品の輸出がオーストラリアの経済を浮揚させるかも
  オーストラリアの食肉業者は、世界的な巨大市場のハラル産業への輸出を増やすことにより、その評判の良さを今後も利用すべきであると強く迫られている。 オーストラリアは毎年、73万トンのハラル牛肉と子牛肉、約6万2,000トンのハラルラム肉、約13万7,000トンのハラルマトン肉を世界の70ヶ国以上に輸出している。 ハラル市場は、オーストラリアで40万人、世界全体で18億人のイスラム教徒の消費者がいるマーケットである。 オーストラリアのInternational Halal Management Pty Ltd社のズルフィカー・モハメッド・シャリフCEOは、「オーストラリアは、世界で年間5,600億USドル(6,312億豪ドル)のハラル市場において、もっとシェアーを上げるべきである。 オーストラリアの食肉の品質の良さの評判は、ハラル市場において海外の国々、特にアジアにとって魅力的なものになる。 アジアのほとんどの国では、オーストラリア産食肉の品質については評判が良いが、そのオーストラリア・ブランドをハラル市場では十分に生かしきれていない。 食肉以外でも、市場にあるほとんどの商品、チョコレート、菓子、コーヒー、酪農製品、フルーツ、野菜などすでにハラル化(イスラム法で認められている)されている。 商品をハラルにするにはそんなに手間をかける必要はない。 動物を屠殺するためのハラルの昔ながらの法律は、現代の商習慣によって、最近は緩やかになってきている」と語った。 (Source: AAP, 22/10/07 "Halal trade 'could boost' Aussie economy")
11月01日2007年 西オーストラリア州からタツノオトシゴの輸出

  西オーストラリア州中西部は、小麦や鉄鉱石の輸出で有名だが、今後はこれらの輸出品目の中にタツノオトシゴが加わってくることになる。 この1ヶ月以内に、パースから6時間の所にある海洋牧場から生きたタツノオトシゴがヨーロッパ、カナダ、アメリカに輸出される。 このタツノオトシゴは、観賞用として海洋水族館に販売される。 Kalbarri Seahorse Sanctuaryは、オーストラリアで2社しかない海外に輸出するタツノオトシゴ生産者のうちのひとつである。 同Sanctuaryのミック・ペイン氏は、「輸出は利益率の高い事業となる。 飼育して繁殖させたタツノオトシゴは国内で販売するよりも、明らかに高い値がつく。 他社もタツノオトシゴを国内に販売しているが、マーケットはそんなに大きくなく値段が下がっている。 しかし、アメリカやUKは市場が大きい」と話した。 (Source: ABC, 19/10/07 "Seahorses to be exported from midwest")